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「お先に…」
「ホント…予定無いんですか?」
同僚達の口々の問い掛けと挨拶にデスクに向かい合って背を向けたまま言葉を返す。
「お疲れ…」
「マジで無いって…気にせずに帰れよ!待ってんだろう『あ・い・て』が…」

今日はクリスマスイブ…ついでに明日からは休み…とあっては、共に過ごす相手のいる者にとっては何かと予定が詰まって忙しい事だろう。
それを示すように、いつもなら残業で残っている者が多い時間帯にも関わらず残ってるのは俺一人だ。
(つまんね~、マジでつまんね~)
胸の内で毒付いても…こればっかりは仕方のない事で…。
言っとくけど…モテ無い訳じゃ無い!断じて…。自分で言うのもなんだけど、顔は流行の『イケメン』って言われる部類だし…スタイルだって悪くないと自負している。
実際、今日だって一月前から予定が入ったり潰れたりの繰り返しで…相手に不住は無かった…と思っている。
ところが…だ!最後の予定者が『ごめ~ん急に仕事が入ったの…。』なんて言ってきたのは昨日…。
(今更…どうしろって言うんだよ~)
そう叫んでも、当日に相手を見つけるなんて出来なくて…挙句…取引先からは書類に不備があったとクレームが付いて…残業決定!
お洒落なレストランを予約していた俺は、当日キャンセルもきかず…仕方なく日頃何かと世話になってる?いや、世話している後輩に譲ってやった。
(だってアイツ…今朝からそれ狙いなのか…ずっと付いて回って鬱陶しいくらいだった。)
まったく…『いいよ、お前にやるから相手いるなら行って来い』そう言ったら途端に嬉しそうに…『さすが先輩…太っ腹~』そう言って小走りに駆けて行った。
疲れる…。

そんなこんなで今夜の俺は最悪の気分だ。でも、愚痴ったところで現状が変わる訳も無く…目の前の書類と睨めっこするしかない。
いつもなら手分けしてする作業も、流石に今日は誰にも頼めずに一人で片付けるしかない。
気の遠くなりそうな書類を目にしていると…アイツの顔が浮かんだ。
この書類を突っ返した相手…小憎らしい程に男前なアイツ…。

大学時代は俺に懐いていて…常に一緒にいて…可愛がっていたし、頼りにしていた後輩だったのに…。今じゃ…小憎らしい程のエリートサラリーマンになっていて…。
初めてアイツが取引先の相手として顔を見せた時に思わず懐かしさに声を掛けた。だけどアイツはアッサリと『お久しぶりです。』なんて言葉だけ返してきて…それ以降も昔の事など無かったような感じで接してくる。
チョットだけの寂しさと…自分だけが相手に親しみを持っていたのかと思う悔しさで…複雑な思いを感じていた。
ホント…腹が立つ!『こんなミスだらけの書類は困りますね、今日中に訂正して明日には出して欲しいものです。』だって…。
『明日は休日…』そう言い掛けた俺の言葉を隔てたのもアイツ…『関係ないでしょう?そちらのミスなんですから…休日を潰されるのは私の方ですよ。』だって…。
(思い出しても腹が立つ…)
ムカムカしても先に進まないので取り合えずやるしかなかった。期限は明日…きっと午前中には出さないとアイツはまた…そう思うと何がなんでも仕上げてやろうと思った。

やっとの思いで書類を仕上げた後は気分直しに一杯…そう思ったけど、どこもココも…恋人同士や家族連れで。あまりに自分が場違いな気がして…止めた。
街中の賑わいを横目に自宅に真っすぐ帰れば…これまた腹の立つ…。マンションに明々と付いた光、家族団らんか自宅でのパーティーか…灯りの付いていないのは…俺ん家だけじゃん。
(ココまで来て…追い討ちかけるかよ~)
今年のクリスマスは…最悪だ!でも、今更行く当ても誘う友人の当ても無くて…落ち込んだ気分のままに帰宅する方を選んだ。
(クサクサする!一人で酒でも飲んで寝る!)
人気の無いロビーを通りエレベーターに乗り込む、フロアを過ぎる度に扉の向こうから漏れ聞こえる楽しそうな声…。
夢見て買ったマンション…早すぎたよな…今日みたいな日は思いっきり後悔する。
ガクンという揺れと共にエレベーターが止まった。開いた扉の向こうを遠い目で見る。小窓から漏れる灯が通り道を照らしていた。
トボトボと自宅に向って歩く俺の足取りは重い。
(やっぱ…外で時間潰すべきだったかな…)
そんな事を思いつつ辿り付いた自宅の前に大きな影があった。
(客か?誰にも何も聞いてないと思うけど…)
ゆっくり近づいた俺はその影が誰なのかを確認して驚いた。だって…昼間に散々嫌味を言われて別れた相手…アイツだった。
思わずココまで来てさらに文句を言われるのかと俺は身構えた。
「なんだよ…まだ文句あんのか?家まで押しかけて来なくても…電話でもくれたらお伺いしましたよ。」
疲れた気分と身体の俺にとって…会いたくない相手だった。
するとアイツはゆっくりと俺を見た。ジッと…まるで観察されている虫みたいに感じるほど…ただジッと見られた。
「なっなんだよ…気持ち悪いな…」
後ずさる身体を必死で止める。
「寂しそうですね…イブだと云うのに相手がいないようですね。」
相変わらず冷たい声をしていた。
「余計なお世話だよ!わざわざ嫌味を言いに来たのかよ。」
アイツの言い方が感に障って…つい声が大きくなった。それにアイツは何も返さなかった。暫らく俺の顔をジッと見て…そして言った。
「やっとアンタを一人に出来た。」
(はぁ~意味わかんね~)
思いっきり顔に?マークを示してやった。するとアイツは笑った…昔と同じように…俺は思わず見惚れた。
「アンタ相変わらず鈍い!ニコニコ笑って周りに好かれて…俺の事なんて再会まで忘れてましたて感じだったろう?滅茶苦茶ムカついた。」
アイツがゆっくり俺に近づいて来る。俺は動けなくて…アイツの動きをただ見ていた。
「今日だって…次から次へと約束相手を変えることが出来るほど好かれてるしな、だから…全部ダメにしてやった。」
(益々わかんね~なに言ってんの?)
「アンタを振った相手は俺が声を掛けたら簡単にアンタとの約束反故にしやがった…その程度の奴らに引っかかりまくって…いい加減俺もムカつくんだけど…」
キツイ視線を向けられて思わずドキッとした。胸もドクドクと脈打って…音が外に漏れそうなくらいだと思った。
(なんで俺ドキドキしてんの?って、なんでアイツがムカついてんの?もう、理解不能??)
「ココまで言ってもまだ分からないほど鈍いアンタ相手に俺はもう我慢しない事にした。何が何でも俺のモンにする。昔から…決めてたから…。」
そう言うと思いっきり胸に抱きしめられた。言われた事が一方的で…までよく理解出来ていない俺だけど…。
抱き寄せられて頬に触れたアイツのコートは冷たかった。夜露に濡れているのか少し湿った感じもした。
いつ帰るか分からない俺をココで…この寒空の下待っていたのだと思うとなんか切ない感じがした。今日という日がイブと言う特別の日だからだろうか?俺にも良く分からないけど…。なんか、昔みたいに懐いてくるコイツが可愛く思えた。だからつい言ってしまった…。
「ココじゃ寒いし…折角来たんだから中入ってく?」
俺を抱きしめたままでコイツは答えた…『当然…』と…。聞こえた声は小さかったけど豪く自信を持った声だった。

こんなイブもあってもイイか?こんな始まりもあってもイイかもしえないと思った。
=その後俺はチョットだけ後悔する事になった。だってよ~マジでコイツ自分以外のヤツと俺が居ると怒るんだ…その度に俺は散々な目にあってる
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Categorie12月お題「クリスマス」
Genre小説・文学 ThemeBL小説

2005’12.24・Sat

アンチ日本X’mas

「遅い。凍死するかと思ったじゃないか」
 仕事から戻ると真樹の拗ねた声になじられた。目深にかぶっていたハンチングを少し上げ、広い庭を見回すと門の陰から飛び石を踏んで、まだ19歳の細い姿が現れる。宗二は通用口をきちんと閉めてから、ゆっくりと彼に近づく。溜息に白い息がひときわ大きくなる。
「そう思うなら来るな。仕事があるのは言っておいたろう?」
「だってクリスマスに……ひどいよ。やっぱ一緒にいたいのに!」
 大きい目に涙をにじませ、ついでに寒さで鼻水をたらし頬を赤くして睨みつけてくる。
「クリスマスだろうが何だろうが、俺の仕事は休めないのはわかってるだろ。それに……」
 宗二は自分の襟巻きを解いて、真樹の首を包んでやった。そのまま抱き寄せると袂からハンカチを出して顔を拭ってやる。
 庭を横切り自室の離れへ連れて行きながら、星まで凍ったような夜空に影が浮かぶ五重塔を見上げた。
「俺は仏教の坊主なんだがな」

 暖かい部屋で真樹に飲み物を与えて落ち着かせた。法衣をシャツとジーンズに着替えて宗二もその隣に腰を下ろした。帽子の下は生真面目に剃髪して青い。
「だからさ、結局お前のはアレだろ? クリスマスには鶏とケーキ食いましょう、ホテル行ってエッチしましょうとか、クリスマス商戦に乗せられてるんだ」
 真樹は立てた膝の間に当てたカップを覗き込むように俯いた。唇が引き締められる。しかし宗二からは見えないが、視線はもう潤むどころか強くカップを睨みつけており、続ける宗二の言葉に柳眉がつりあがった。
「他人と同じ事をしないと安心できないか? よく考えてみろ。意味なんかないだろ? キリスト教徒でもないし、ケーキ屋でもないからな。寺でもクリスマスをやるところはあるがうちは違うし……」
「そういうこと言ってんじゃないだろォ! 26でそこまで間抜けかよ! ああ、他人と同じ事したいんだよ。どんなイベントでも引っ掛けてあんたと会いたいんだよ」
 湯気の立つ飲み物を煽るとテーブルへカップを叩きつけて置いた。舌を火傷したらしく、舌打ちして眉間に皺を寄せると宗二の投げ出した足の上に跨ってきた。
「あんたが腹立つこと言うからベロ焼いたじゃんかよ。舐めて直せ。……馬鹿馬鹿しいのは承知の上だ。大体、男同士でこんなことしてて、これ以上馬鹿らしいことなんかめったないよ」
 禿頭(とくとう)を両手で撫で、小首をかしげて微笑すると真樹本来の「天使のような」優しさが蘇る。
 その微笑に飲まれたか、宗二は意外と素直に真樹が突き出す舌を舐めた。後手をついて距離をとって困ったように見上げる。
「だから、わざわざクリスマスだの何だのこだわることもないだろう。いつでも、会いたいときに会えばいい。無理なときもあるが、それは仕方が無い」
 どこか不思議そうに、おずおずと宗二が呟いた。座った姿勢のまま後ろへ引いていく宗二を追って真樹が伸し掛かる。自分より華奢な体に組み敷かれて、さらに宗二の声が小さくなり頭の先まで上気して赤くなった。
「俺は、馬鹿らしいと思ったことはないが、真樹はそうじゃないのか。イベントに騒ぐ気にはなれないが、お前とは一緒に居たい」
「俺も一緒に居たいから商談成立。たまには商業主義も悪くないよ。いつでも会えるけど、特別はたくさんあったほうがいいんじゃない?」
 真樹が鮮やかに笑うと、宗二は苦笑して畳に仰のけに倒れた。
「不成立。俺は特別はひとつだけだ」
「ご本尊とか言ったら泣くよ」
「花祭りにも会おう」
「その前に2年越しも一緒でないとヤだ」


 明かりが消された部屋では、熱い息と衣擦れの合間に宗二がぼやいていた。
「住職の鐘つきの意味が……」



*********

バカッポー。
花祭り=お釈迦さん誕生日 です。蛇足ながら。
タイトル負け感アリアリ~。
(円茶)

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Categorie12月お題「クリスマス」
Genre小説・文学 ThemeBL小説

別にさ、世の中クリスマスだからって別にこの男にロマンティックなことは求めてないよ。
イベントごとなんてお互いの誕生日も、バレンタインもどこ吹く風。傍若無人で唯我独尊。俺が法律。
そんな奴に、クリスマスの恋人達が送るようなムードを求めた俺も…間違いだったわ。

だけど普通気づくだろ?
今日だって、アイツ甘いものはオールOKだし、まクリスマスだから色々限定のおいしそうなケーキとか店頭に並んでて、思い切り「merryXmas」とかって書いてあるチョコレートのプレートがのってるような生チョコのケーキを買ってきて。
「たまにはホールでさ」
って差し出したら。
「お、気が利くな」
って言って、チョコレートのプレートバリバリ食ってたから、
(こいつもさすがにクリスマス位は気づいてたか?)
なんて思って、宅配のピザとって、デリバリーのお兄ちゃんがお世辞にも似合ってるとはいえないサンタ姿で現れたときも。
「ご苦労なこった」
なんてお金払って受け取って、おいてあったワインで適当に乾杯したらそれらしいクリスマスパーティになった。赤のワインは芳醇であっという間に酔っ払ったけど、今の内にしれっとプレゼントを渡そうかと思って、割とドキドキしながら荷物の中から取り出そうとした。アイツの欲しいモデルの時計なんかを無理して買ってみたし・・・。ってちょっと自分的にテレながら取り出した瞬間。

天井を見上げてた。

がさごそ俺の体を弄ってきて、あっという間に裸にひん剥かれて、え・え・え~と戸惑ってる瞬間に、真っ裸!
「おい、お前!」
抗議はアイツの唇の中に消え、痺れるほどに舌を吸われて、俺の弱い所を重点的に攻めはじめる。もうそうなったら俺は・・・。
何だよ。
せっかく用意したプレゼントぐらい渡させろよ、くっそ。
これでもお前の喜ぶ顔とか、色々想像しながら買いに行ったり、気恥ずかしかったり。
俺のドキドキを返せよ!

「ぷはっ。おま…ちょっとムードとかないのかよ?せっかくの初めてのクリスマスだろ!」
と捲くし立ててやったら。
こんなこと初めてだと思うほど真剣に見詰められた。そして、ちょっとテレながら
「キリストの誕生日なんて祝う気はない。一緒にケーキ食って上手い酒飲んでそれでいいだろ?何の日かが問題じゃないお前がいればいいよ、俺は・・・」

どっとおこった血液の逆流。

それ、すっごく恥ずかしいんだけど。と言うか。
ちょっと感動した。
最高のプレゼント、かも。

この後盛り上がったのは言うまでもない。




PC使う用事があって(年賀状印刷)ダンナにせかされながら打った20分作品。ゴメンもう逃げるしかないよ。
失礼しました。(ぴかり)

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Categorie12月お題「クリスマス」
Genre小説・文学 ThemeBL小説

 雲は重い鼠色をしたまま街の上空を微動だにしない。多分予報通り夕方前には雪が降るだろう。丁度クリスマスシーズンと重なって雪ならばと商店街の主人達がホワイトクリスマスに釣られやって来る家族連れや恋人達様にディスプレイや特売品をワゴンに入れて世話しなく朝から動いている。
 軍でも有給休暇の願い出が重なりやすい時季であり、上司はローティションの組直しにかなり頭を悩ましている。
 そんな中電話交換手が「ここだけですよ!!」と苦情を言いに来ていた。
「軍内で私用電話は慎んで下さい!って、あ・れ・ほ・ど!っ願いったじゃ~っいですかっっ!!」
怒り浸透。怒鳴る声も言葉も飛び気味で脳内毛細血管が確実に3本切れたのは間違いない。とばっちりをくらった部下が引き気味な中、当の本人はゆったり電話を――
「――って言うより無神経だよな?」「そう、そう、」
 部下二名が書類越にヒステリックに怒る交換手と煩そうに耳をふさぎながら電話を止めない上司を交互に見直した。
「――と曹長と少尉殿がおしゃってますが?」
「そっ、お前ら休暇なし!」
「「えぇぇっっ~!?」」 容赦ない報告で休暇取り消しの憂き目にあい中尉に文句の一つも言いたい処だが「これで仕事の能率が上りますわね。」ニコリと笑った顔が恐ろしくて何も言えない…。つーか言ったら死ぬ!!殺られる!!

「目的の為なら手段を選ばない女。射撃の名手、年齢微妙なお年頃、B86W…」
パスン!パスン!
「ろっ……」フラフラ・くるくる…ぱたり。

 巨乳ハンターリボルバーサイレント仕様に散る。
 さらば!巨乳ハンター!ありがとう!巨乳ハンター!君の勇姿を僕らは忘れないっ
「忘れて下さい。」
そのまま向けられた銃口には誰も逆らえない。ブラック・ハヤテ号もご主人様の過激さには付いていけないぞ。
「まったくもって嘆かわしい!我が家に代々伝わる…」
 いきなり現れた筋骨隆々な少佐に肩を掴まれた交換手が訴えますよ~なんて言いながら逃げて行った。それがチャンスとばかりに大佐は私用電話の続きをしてるサマがある意味修羅場だ。
「ご・ごめん!なんか変な邪魔入ってさ…」
変なのはお前だっ
「な?折角のホワイトクリスマスだし…ほら、…な?」
ほら。てなんだよ?
「仕事早く終るから」
つーか今仕事しろ!今!!
「あの木の下で待って欲しいんだけど…」
あの木?あの木もどの木もねぇよっ
「だ・か・ら~朝は悪かったって!な?もう機嫌治せよ~」
てぇ何か!?朝からコレしか考えてなかったってか?
「あ~っっ待て!待て!実は……あれ?も・もしもし~?」
繋ってない電話にすがるように叫ぶ上司を見て誰もが思った。…………切ったな。電話交換手が、切ったな…。

 はぁ~~~~~っっ
 深い溜め息一つ。顔をやっと上げた上司の視線を避けて一心不乱に書類を片付ける部下〇名と銃殺体一名。犬一匹。
「これを、」
 容赦なく積み上げられた書類が天井まで届きそうな勢いで今までサボっていた結果の他言う事なし!それなのに帰り支度するとは!!このクソ忙しい年末にいい度胸だ。
「つーかサボりすぎ!」「上司横暴!!」「仕事怠慢!!!」「恋人年齢不相応!!!!」
大ブーイングの中いまいましく眉を上げた中尉が立ちはだかった。
「帰しませんよ、大佐?なんの為に少佐を呼んでるとお思いですか!!」
クワッ!!中尉か!!!この忙しい中鬱陶しくも暑苦しい筋肉アピールを止めないコレを呼んだのはっっ!!!!誰もが閉口していたと言うか、なるべく目を合わせない様にしていた少佐に視線が集まった。それに答えてさらにポージング。動く大胸筋。盛り上がる大腕筋。割れる腹筋。尻で割り箸10本は割れるぞ!

「うおっ?放せっっ」
 我儘上司を捕まえ椅子に無理やり座らすのはやはりこれぐらいの筋肉が必要と言うべきか?
「我が家に代々伝わる筆記術を使えばこれぐらいの量などたやすい、たやすい。」
「俺は帰るのっ!!」
「今日こそ仕事を終らせて頂ます。」
――!!!!!!!我、修羅の道を行く者なり。
 その場にいる誰もがその言葉が浮かんだ。
 鬼と無能と筋肉が織成すこの部屋は地獄の一丁目。目を合わすな!仕事に集中しろ!ここは地獄の三丁目、眼精疲労に腱梢炎、嫌なプレッシャーで胃潰瘍と偏頭痛で、一人…また一人と倒れて逝く。地獄の最終尾にもなると「俺のことは捨ててけよ。」
 マスタング隊年末恒例の地獄絵図。軍内週刊誌〈国軍自身〉の取材もこの季節はいつもここだ。タイトルはさしずめ〔スクープ無能大佐の実態!!!〕〔部下は語る「もう付いていけません!!!」〕〔電話交換手Aさんは語る飽きれた電話の内容とは!!??〕〔お湯自慢!天然温泉BEST100:戦場の傷はここで治せ!!〕〔星占い:マダムが占う今週の銃アイテムとは!?〕〔激写!!!夜の密会!!噂の恋人(未成年)とは??〕〔独占インタビュー!!!!「私はこうして大佐になった」〕〔好評連載中:“それ行け!!足手まとい君”〕〔今週のファションチエック!!アロハシャツをこよなく愛した漢祭り:着こなし術大公開!!!見よ!この雄姿!!〕〔応募殺到!締切り迫る!!プレゼントクイズ:今週はコルトダブルイーグルだっっ!!!※31日消印有効〕

 外はすっかり暗くなり予報より遅れて雪が降り出したせいかまだ薄化粧もしていないくせにいやに冷え込む。それでもクリスマスとあって夜遅くても街にはかなりの人が繰り出し飾られたイルミネーションを楽しんでいる。
「お・終わった…」
まったく仕事は日々ちゃんとしておくものだ。やっぱり写真撮影にインタビューもあり予定より4時間も遅い退社になった。深い徒労溜め息も白い。
「――なんて反省去年も…」
「ひ・ひ・ひとっっ人の心を読むな~」
 鬼中尉の一言に涙ながらにダッシュで逃げる。これ以上ここにいたら何やらされるか分かったもんじゃない。
「それに…!」
 とにかく焦った。とにかく走った。早く終るって言ったのに予定を大幅に超えている。いるだろうか?あの木の下に…
「今朝ちょっと怒らしたしな~」
いないかも?と考えただけで身悶しえしそうだ。つーか本当に道で転がってる様を見て通行人がビックリだ。「ねぇ、ママあれ何?」「まっ!!見ちゃいけません!」「なんだ?なんだ?」
 軍服のままで転がってるから軍の権威と品位が失墜だ。角で取材班が写真を撮ってダッシュしている。差し替えでこの現場が一面に載るのは間違いないだろう。〔まさか!?クリスマスの国軍大佐の奇行!上官は嘆く「もう始末に負えない!!」問われる軍風紀!!!〕

‘本当。奇行と言うより変態だよ。奇人だよ。こんなの野放しして大丈夫なのか!?’

 お・落ち着け。と・とにかくだあの木の下へ!!

「へっ、おせぇじゃねぇかよっ」
悪態をついてる割にはオートメイルの右腕だけがうっすら雪が積もって、ずっとここで待っていてたのが窺い知れる。
「ご・ごめ…ん」
息を切らせながら見た金髪にかかる雪が綺麗で、青い瞳に映るイルミネーションが幻想的で、冷えきってしまってるであろう体が申し訳なさすぎてうなだれたまま止まってしまった。
「仕事してたんだろ?気にすんなって」
ニッと笑った唇が碧い。
「何時間待った?帰ってもよかったのに…」
「なんだよっここに来いって言ったのお前だぜ?」
ムッとして見上げた木の枝にもいつの間にか雪がうっすら積もっている。
‘転がってなかったらもっと早く着いたはずだ。大佐の動きには一々無駄がありすぎる。’
そんな奇行を知らず待っていた噂の恋人(未成年)が照れくさそうにボソッと呟いてた。
「…約束だしな。」
「?えっ?何?」
 さっきまで鼻を赤くして走って来たかと思えば、いきなり黙って泣きそうな顔してた同一人物とは思えない程聞き直した顔は穏やかで笑った口許が余裕ぶってて…
「やだ!」
「何?もう一回言ってくれよ。」
ふざけあう様ににしか見えんこいつらはこの日独り身の者にとって本当ムカツク限りのバカップルぶりである。
‘まったくもって気が悪いったらありゃしない。’

「これ、……メリークリスマス。」
 差し出された紙袋の中身は赤いマフラーはもしかしなくても手編み。白く頭文字を入れてる辺りが年齢を感じさせる。――さきっちょにボンボンなんて母さんでもやんねぇよ。
「?やけに長いな」
貰った紙袋から出したマフラーはまだ全部出しきれていない。
ゴソゴソ出したマフラーの両端には二人のイニシャルのEとRが……………もしかして?振り向いて見た顔は満足げと言うか…お前コレってよ~
「4Mはあるからな!編むの大変だったんだぞ☆」
げっ!げげげげげげっっっ~
 ペアより最悪だ。
「で?いつ編んでたんだよ?」
こんな姿見てたら間違いなくほどいていたのに。なんて嫌みも無論通用しない
「そりゃビックリさせようと思ったしな。職場でせっせっと…」
「………」
と、なにか~!!!!!俺がくそ寒い思いしながら待ったのはお前が仕事もせずにこんなの編んでたから皺寄せが来たせいか~!!!!!
 ニコニコしながらEを首に巻き付けてすでにスタンバイOKなところがもう、気が抜けて怒鳴る気にもなれない。つーかEじゃなくてRだろう?
「あ?コレ?この方が――いつでもキス出来るしな。」
なんて笑いながらEに口付けする行動が―――「――エロ親父!」
「だって外じゃキスしてくれないじゃないかっ」
 去年まではコイツはこんなヤツじゃなかった!こんなに馬鹿でも親父でも乙女でもなかったし、変態ぷりなんざぁ~かけらも……いや、少しはあったか…。ガクッ
「来年もな。」ボソッと言った一言がこんな事になるとは!!
 ど~も騙された気がしてなんねぇ~
 ブツブツ文句を言いながらも結局寒いから巻いてしまう自分も自分だが…。

「騙されてんだよっ!バカ兄!!」
弟がこっそり後を付けて呟いていたのを俺は知らない。

お題『クリスマス』マフラー編こんなん編むヤツおるんかいっみたいな?猫は寒いのでお休みです(笑)
途中からのへんな悪態‘’は無論弟です。つまり尾行してたって事?〇ルならやりかねん(笑)

さあ~て来週の週刊〈国軍自身〉は巨乳ハンター特集:[激写!!!巨乳ハンターの素顔] [独占インタビュー「私が巨乳に拘る理由」] [巨乳はこうして見つけろ!!!間違いない巨乳の見つけ方大公開!!] [貴女もこれで巨乳!!!正しい巨乳の成り方ワンコインレシピ掲載] [待望の新連載スタート!!!巨乳と太股とミニスカが織り成す愛の軌跡「チラリと魅せて…」] をお送りします。=嘘

一抜=3(ぶいぶい)

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Categorie12月お題「クリスマス」
Genreアニメ・コミック Theme鋼の錬金術師

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