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2005’09.23・Fri

お題最終/彼岸

◆◆ 再会  

都会の中では珍しく、アスファルトの道の端に彼岸花が咲いている。
「珍しいな、こんな所で彼岸花なんて、もうそんな時季なんだ…」

そして、俺は思い出した。去年の鮮烈な出来事を…。散々自分を引っかき回した出来事を…。
そう、去年の今頃…彼らは突然…俺の前に姿を見せた。

あの日…大きな爆発音と共に…その姿も…いま、そこに居たという痕跡さえ残さずに彼らは消えた…俺の前から…。


彼らとの出会いも衝撃的だった。

新たな仕事に対して理想に燃えていた俺に上司が指導、監督者として付けたのが彼らだった。
『優秀だが、問題も多い。全てを習うのではなく必要な事だけ盗め』と…紹介され、引き合わされた。

第一印象は『軽いヤツ、チンピラ?なんかヤバイ人?』…そんな印象だったと思う。
だって、公職に付いているとは思えないような服装、外見とその言動…それはどこに行っても、何をしていても変わらなかった。
そしてその言動が滅茶苦茶なのに人を惹きつけてしまう。そんな人達だった。

だから…惹かれたのかも知れない。いつの間にか自分でも気付かない内に…どちらにというのではなく…彼らという、その存在に…惹かれた。

いつも気ままに俺を振りまわして、勝手に事を進める。でも、肝心な事は俺には何も言ってくれない。俺を何時ものけ者にして…彼らだけで事を起こして、収めてしまう。
面白くなかった…自分がその中に入れない事が…。
それでも一緒に過ごせる時間がある事が自分にとって大切だった。

それが…それなのに彼らは突然消えた。

俺には何も残さず、何も言わず…最後まで俺は彼らに振り回されて…でも、受け入れてもらえなかった。



「よう、久しぶりだな○○、ってお前がここのボス??」
「いや~時代も変わったね。トロイ動物でも時間が経てば…変わるって事?」

不審者として俺の部下が連れてきた二人組み…その姿に衝撃を受けたのは俺だけじゃなかった。
俺の周りの人達も彼らの事を知っている…そんな人がまだ多くここに残っている。

突然現れた二人は、姿を消したあの時の…そのままの印象だった。
相変わらずの軽口、全身そつなく着こなした仕立の良い服をさり気なく崩し、自分流にしている。

「なぜ?…生きていたんならどうして…」

胸が締め付けられて涙が溢れそうになる。
『二度と会えない…僕は一人で残された。』そう、思っていたから…。一緒に行動させてくれなかった事が辛かった…残された事が…一緒に居る事を拒否された様で悲しかった。
なにより、自分が彼らの足手まといにしかならない…その事実が悔しかった。

「あっれ~○○泣いてる?そんなに感激した?俺達も感激よ」
「泣きたいなら、俺の胸貸してやろうか?さぁ、お兄さんの胸に飛び込んでおいで」

胸を叩いて両手を広げる○○…それをニヤニヤしながら横で見ている○○…。
(あぁ~変わらない、あの頃と同じだ。一緒に過ごしたあの頃と…彼らは変わっていない。)

「ばっ、馬鹿言わないで下さい。俺だって…一応は成長してるんですから…」

彼らの前で胸を張って主張した。
いつまでもやられっぱなしじゃ情けない。まして今は自分も部下をかかえる身、本当は飛び込みたい…だけど、離れていた時間で変わってしまった自分の環境、身に付けてしまった建て前と虚勢が邪魔をする。

「あっら~残念!再会を喜んでくれない訳だ…」
「仕方無いんじゃない?俺達…またカッコよく成り過ぎて、近寄れないんじゃない?」

俺の行動も発言もお構い無しに話を展開する。周りの雰囲気もいつの間にかあの頃のものに変わっていた。あっと言う間に時間を引き戻していく。
素直に言って、どんな形でも彼らと関われる事が…また、一緒に過ごせる事が嬉しかった。


でも、やっぱり…最後は変わらなかった。
また、彼らは二人で消えた…。

散々俺を振り回して、俺のテリトリーに侵入して、其処ここに彼らの確かに彼らが居たのだという跡を残して…。
『またな』とも『じゃ、…』とも残さずに…現れた時と同じように、突然居なくなった。また残ったのは俺だけ…。

また一人になって悔しくて…、二人の消えた跡を睨む俺の目の端に映ったのが毒々しいまでに紅い花…それが彼岸花だった。

「嫉妬」と言うものを花に例えるならこんな花じゃ無いかと思った。葉もなく真っすぐに伸びた茎にまるで炎が揺らめくように真っ赤な花弁をつける。
周りのどんな色にも染まらず、鮮やかな赤色と細い茎に不釣合いな大きな花を付ける事で自分を誇示する。いや、違う…誇示するのではなく周囲を侵蝕している…焼き尽くすように…。

彼らの関係に嫉妬するのか?それとも彼らのような生き方に嫉妬するのか?それすらはっきりしないのに…。
ただ、彼らに置き去りにされた…その事だけがはっきりしている事だった。


あれからもう一年が経った事になる。

彼らはどうしているのだろうか?きっと変わらないのだろう…そしていつかまた突然その姿を俺の前に見せるのだろうか?
その時は…今度は共犯者にしてくれるだろうか?それとも…また、置いていかれるのだろうか?
いつか、起こるかどうかも分かりもしない未来に俺は不安を感じ…そして、嫉妬する。

だけど俺は知っている。彼岸花には「再会」と言う花言葉が付いていのを…。

「また、会えるんですよね?」
俺はその場を静かに離れた…来年もまたその花がそこに咲く事を期待しながら…。

                  by ポンチ

無理やりこじ付けの彼岸ネタ!
個人的には彼岸花は好きです。個性的で主張する花は好きです。
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Categorie9月お題『彼岸』

とあるカポーの墓参り(←色気ないタイトル・・・)


「俺は絶対長生きする」

口説き文句はこれだ。もう7年前に決めていたよ。
アニキから掻っ攫おうって、アンタと勝負しようって、逃げないって決めたのに、勝手にバックれやがって!

くそっ。

毒づいて蹴飛ばそうと思ったそれ。
でもできなかった。
そこには真新しい白い大輪の百合が楚々として両脇に飾られていて、これを生けたのが誰だか、わかってるだけにできなかった。
あんな奴に、こんな上品な花…菊でいいんだよ、菊で。
そっと、花弁に触れてみた。花には罪がない、でもアニキは罪深い。

あの人を、置いていったから。

どう足掻こうと年の差は埋まらない。
どう頑張ろうと思い出には勝てない。
その思いを7年も引きずってきた。
あの人は、アニキの姿形に似てる俺を手元に置くことで自分を保とうとしてる、と思う。それも俺の気持ちには多分いや確実に気づいていながら。
それはとても卑怯で残酷だと思うけれど、アニキが居なくなってどれだけ嘆いて苦しんで、体を壊したか現実から逃避しようと自分を害したかを知っている俺はアンタを恨みこそすれあの人を罵倒することはできなかった。あの時、すぐに帰ってくると行って出かけたアニキは帰ってこなかった。そりゃ、アニキもそうなるとは思ってなかったろうけど何か重要な約束をしたまま相手に期待だけさせといてそれを果たすことができずに永遠にさよなら、そんなのはひどすぎる。
どんな約束だったのか、知らないしはっきりとは教えてはくれないけれど想像は付く。そしてそれがきっとあの人を一生苦しませるのかもしれない。

まったく、腹が立つ!

この時期になると、思い出す。
秋晴れの空の下、俺の田舎のあぜ道に群れて咲く彼岸花。それはその毒々しいイメージのまま、俺の心に妬きついた。
赤い血の花の葬列のように一列に並ぶ地道の上を走る黒塗りの車から、俺はくず折れるあの人を見ていた。
何人かの友人に支えられて、焦点の合わない目は真っ赤でただ流れ落ちる涙を拭おうともせず、薄く開いた唇からアニキの名ばかりを呟くその口元に。
俺は打ちのめされた。
でも綺麗だった。

もう7年経つ。

夕暮れにさしかかろうとする空を見上げた。
うろこ雲、涼を運んでくる風。手を翳して太陽を見た、西日はまだ夏の日差しだった。
大らかだけど不器用で、明るく清清しいまるで太陽のように眩しい人だった。
俺とは、まるで違う。
(いくらアンタでも、自分がいなくなったあと俺があの人を抱くのは業腹だよな)
そんな自嘲とともに、目の前の墓石に触れた。
でも、譲れないと心に決めている、もう今の関係がなくなっても、永遠に彼をこの腕に抱くことはできなくてももうけじめをつけるべきだ。
(後釜よろしく納まってた俺をアンタは笑うかな、いや恨み言をぶつけられてるのかもな)
あんたが残したアレを、きちんと渡すべきだ、と決心が付いたからだから来た今日は。
(渡しとくぜ、そしたらアンタまた、泣かせるんだぜきっと。でも今まで隠してた俺もたいがい、卑怯だな)
そう思いつつも神妙にその墓前で手を合わせた。
できる事なら、俺を許してくれ、と知らず祈った。
そしてあの人をくれと、心から願い、アニキの次でもいいと本音を吐露した。
死んだ人には敵わない、のだ。


風に飛ばされたイチョウの葉っぱが時折落ちていた、墓地から寺の境内に続く道を殊更ゆっくりと進んでいると見慣れたシルエットが墓地の入口に立って驚いた。
白皙の顔に地毛だという明るめの茶髪、肩までのびた細くて柔らかい髪が風に揺れている。
「切らないとね」といいながらなかなか切らないその髪型、似合ってるけど似合ってないって言いたい、まあ今日は命日だからアニキに免じて止めとこう。
好きだったみたいだからさ、この髪型。
「お話、した?」
小首を傾げて儚く笑う、とても7歳年上の三十路とは思えねえ。
「…まあ、恨み言を少々」
「いつもそれだね、君は」
「まあね」
境内を肩を並べて歩きながら言葉を交わす、何時もの憎まれ口も今日はないようで。
「でも、今日来たのは初めてじゃない?」
ああ、命日にこうしてここにきたのは初めてだよ、薄情な弟だろ?…なんとなく、これなかったってのも、あるけどな。
「なんの心変わり?」
20cmほど低い身長、下からの覗き込んできてそう訊く、年齢にそぐわない無邪気さで。
「別にそうじゃない、今日は来る必要があったと感じただけ」
「ふ~ん」
気もなさげに相槌を打って視線を外す。その気のなさに俺はアレを渡すならやっぱりアニキの墓前でと思い当たった。
「こっち来いよ」
手を引いてずんずんと来た道を引き返す、「わ、ちょっと待って」石畳に突っかかりながらも引っ張っていったアニキの墓へ。そこで止まるとぶっきらぼうにポケットの中のそれを差し出した。

「もう、これを渡してもいいかと訊きに来た、7年。アンタにとってどんな年月だったかは、訊かない」
ビロードの掌サイズのそれを差し出すと恐る恐る手にとって開けたその手が少し震えてた。
「今まで、隠しててごめん。アニキの遺品からでて来た。きっとアンタへあげるつもりだったんだと思う不器用なアニキの想いが込められてるんだと思う」
頭を下げた。
彼はその箱を開けて、それを取り出すと兄貴の眠る墓標を見る。

目を眇めて指で転がす銀の小さな輪、予想外に彼は泣いたりしなかった。


「──そうか、7年」
かみ締めるように言った。
「はや…かったな」
瞳を伏せて呟く、懐かしんでいるのか、アニキとのいい思い出に浸っているのかはわからなかった。
「君といる様になってからは、とても早かった」
確かにそういった。そして次に見せたのは、伏せた瞳をきりりと上げて俺を睨むかのようにまっすぐにそらさない視線でそれでいて熱っぽい。
蠱惑の眼。
隠していた事を責めるような気配はなく、俺が心に溜めているものを言えと促す瞳。
そうだな、ここで言うのがいいのかもしれない。
アニキの前で。

「俺は、アンタを置いて死んだりしない、絶対長生きするから」
「うん」
「これからは一緒にいて欲しい」
今まで重ねた体とか、吐息とか、それはきっと俺であって俺でなくこの人にとってアニキの代わりだろうから、これからは俺を見て欲しい。
その願いを込めてそう告げた。

「これからも、だろ?」
持っていた指輪を小さな箱にしまいながら、こともなげに帰ってきた言葉、それはとてもシンプルで明快だった。

「…うん。もう君のお兄さんとのことは僕には思い出なのかもしれない。大切な思い出、変える事のできない過去で関係だった。だからこの指輪も嬉しいけれど、彼の想いが伝わってきて心は温かくなるけど僕にはもうその気持ちを返せないんだよね今となっては」
嬉しさを受け取る人がいない、そういうことなのだろう。あのアニキの死で空しく死人との対話を繰り返して追いかけていこうとしたこの人を何度も引き戻したのは俺で。
俺は何も言わなかったけど、そばについていることしかできなかったけど、きちんとこの人を見ていた。目をそらさずに。
「それを教えてくれたのは君だしね」
そうなの…か?俺はちゃんとあんたの力になれたんだ。姿の似た俺じゃ辛くなかったかなあ、といつも思ってたけど。
そんな風に考えてると、ふぅ~とあきれたようにため息をつくのが耳に届いた。
「まあ、無理も無いけどさ、勘違いしてるようだから言っとくけど君を彼の代わりだと、思ったことはないよ?」
え?
「だって、無口だろ、無表情だろでも人の気持ちには敏感で、やることは大胆なくせにここぞというときにはヘタレるだろ?てんで違うし」
あ~。
「僕を抱いたのも、僕が迫ったからで、本当は順序を踏みたかったんだろ?」
はい。本当はちゃんと告白してOKをもらってからと思ってました。けど体の暴走には負けました。
「真面目なんだよ…、待ってられなかった。まあそんなとこが可愛いよ、そういう君に嵌ってるかもね」
は?誰が190cmの大男を捕まえて、可愛いたぁ何事?
「健気に僕を、この現実に引き止めてくれたその責任はとるべきだね、そしてちゃんと長生きしろよ?」
まあ、僕より7つも年下だからそんなのはあたりまえだよ。と毒づきながら小突かれた…。
横目で見上げれて、
「過去を抱えたまま僕でいいんだろ?」

それがあるから好きなのだと、頷いた。


ふたりで、お墓に手を合わせた。

遠い空で見ているかもしれない、アニキ。彼はどんな思いで手を合わせただろうと考える。
大切に胸に抱えた小さい箱。
その胸に秘められた思い出とともにきっとこれからも歩んでいく。
これからも二人で。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ええと、長くてごめんなさい。難産もいいとこ、パターン王道で失礼致しました。というか何故年下攻め???好みじゃないはず。
しかしうまく短く纏まりませんでしたなあ・・・。はぁ、勉強します。
勝手にシリーズ化しましたが、今年3月からBLOG上で色々なカップルのワンシーンをBLOGの月一お題で書いていますSSです。興味がありましたらHPへ。3月分から順次公開中です。
(ぴかり)

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Categorie9月お題『彼岸』

2005’09.21・Wed

帰省

毎度、やまなし、おちなし、いみなし。
注意。終わってないので読むと消化不良になります。
すいません、お題できませんでした。阪神に気を取られてました…。

        **************************************

「おま、いっつもこんな時しか帰らねぇんでやんの」
「盆暮れ正月は帰ってるんだ。その上今年は秋も来たんだ、充分過ぎる」

 年上の割りに子供じみた従兄弟に言い返すと、彼は下唇を突き出してそっぽを向いた。
 半そでシャツにバミューダをだらしなく着崩し、女物のサンダルを突っかけて、墓前から下げたお供えの饅頭を頬張りながら、田んぼのあぜ道を先だって帰っていく。手には空になった水桶を持ち、その中には線香の残りが入っていた。
 親戚達はとっくに墓参を終え、午後遅くになって帰省した自分だけが義務を果たしていなかった。従兄弟はそれに付き合うと言って、ひと揃いの準備をしてくれたのだ。
 すでに日は落ちて残照だけが薄く空に残り、あぜに咲く花の赤も見分けづらい影になっていた。

「リョウちゃんは、アレだろ。仕事が面白くてしょうがねえんだよなあ。オレの事忘れてるだろ。誕生日とか」
 片目を眇めて眉毛を斜めにして振り返る。腕組みをして仁王立ちし、狭い道に立ちはだかった。
「タケ、歳いくつだっけ? 俺より上でなかった?」
「28。おととい28ンなった」
「……そりゃおめでとう。何かいるのか?」
 肩を竦めて立ち止まると、タケは押し黙った。虫の声に上ずった息の音が混じる。
 急に緊張した空気に、リョウは一歩後じさった。
「高校ン時にさ…ツルんでたヤツが居ただろ。まだ一緒に居るのか?」
 思いがけない問いにすぐに返事ができずにいると、タケは水桶を取り落としてリョウの肩を抱き寄せた。
「帰ってこい。それで誕生日忘れてたことチャラにしてやる」
「何言ってんだ。話が繋がってないぞ? 大丈夫か?」
 リョウはゆっくりと肩に回った腕を外そうとしたが、それは固く動かない。
「できるわけないだろ? 駄々捏ねてないでさっさと帰…」
「じゃあそいつと別れろ。今すぐケータイしろ。そうしないと帰さねえ」
 やっと腕が離れたが、次には頬を押さえて顔を固定された。間近で瞳が覗き込み、宵闇でも表情が伺えた。彼らしくもなく茶化せない真顔だった。
「同棲してんだろ。同居じゃなくて…知ってる。知ってんだよ。昔っからあいつと付き合ってただろ。……俺の居ないスキに! だからあっちで就職するのやめて帰って来たのに、今度はお前が出てくんだもんな。ひでぇよ…リョウちゃん」
 額をつき合わせての低い声が、やがていつもの拗ねたような調子になった。リョウは呆然としていたが瞬きして目の前の顔を見つめ直した。
「ひでぇって、そんなこと言われても。それに同棲とか付き合ってるとか、何を、勝手に…」
 しどろもどろに言い訳する口を何か柔らかなもので塞がれる。さらに濡れた熱いものが入り込みそうになって、リョウは闇雲に両腕を振り回してもぎ離した。
 まだ稲が植わって僅かに水の残った田へ飛び込んで逃げる。背後からタケが呼ぶ声が聞こえる。
 リョウは考えることからも逃げようと、混乱したまま全速力で走り続けた。田畑を抜け、数件の農家を通り過ぎて最後に雑木林を抜けると実家に辿り着く。
「リョウ!」
 ペタペタとサンダルの音がもの凄い速さで近づいたかと思うと、服を掴まれた。止まろうにも止まれない勢いでそのまま2人して茂みへ倒れこんだ。
「リョウ。知んねかったのかよ! 本当に俺の気持ち知らなかったんかよ! ぜんっぜん帰ってこねえで、俺が会いに行けるわけねえじゃんかよ。アイツが居るのに!」
 暖かい水のしずくが上から落ちてリョウの顔に降りかかった。乱暴に服をたくし上げられ、素肌へざらついた手が這いまわり、吸い上げる音と痛みが走った。
 殴ってはみるが力の入らない体勢で、大した効き目がない。相手は上背があるばかりで自分と大して変わらない細身なのに、跳ね除けられない。
 それに気づいて初めてリョウはいつものタケではない、男の恐ろしさを感じた。

 この時間にはめったに人はおろか車の行き来もない道に、遠くから近づくエンジン音があった。
 聞き間違えようのない、HARLEY DAVIDSON Rordking Classicの心臓の鼓動だ。生き物のようなそのエンジン音に、まだ2人は気づいていなかった。


        **************************************

ダンナ登場。バイク話EPISODE0.5というところ。


・・・・・・・・・・・・M6おめでとう!
(円茶)

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Categorie9月お題『彼岸』

あの日も空は青かった。
 母さんが倒れてから逝くまでの間降り続いていた雨が上り、綺麗になった空気が空まで澄み切らせ、忘れられない青を俺たちに刻め込ませた。―――秋晴れのこの日、墓参りの時期が近付いて来た…と言う事か……ばっちゃんの料理も久しぶりだし、今回はゆっくりするか。
 ―――なぁ?弟に同意を求める為に振り返った先にはちゃっかりテーブルにつき、あの食い逃げ野郎が案の定何かを口の中パンパンに頬張ってさらに「オカワリ」を要求している。
「ほほへのふひぎゅへはふぇふぁ…」
「何言ってるかわかんね~よっ」
いくらか口の中のモノを飛ばされて‘プチッ’と切れた俺は右腕を攻撃形態に練成しょうとした時台所からアイツがひょいとぴょこエプロンのまま出てきた。無論これもペアでチャー〇〇〇リーンみたいな事したいと買ってきてた一つだが当然俺のは未使用のままだ。
「客人が言うには、私の国ではヒガンと言って先祖を大事にする風習あるネ。と、言っている。」
うんうんと頷く自称客人がそう噛まずに器用に肉やなんやらを飲み込んだ。
「―――にしても料理上手ネ、いいお嫁さんになれるヨ。」
「そんな~まだお嫁さんだなんてぇ~」
キャッ☆と喜びチラリとこちらを見る眼が本気だ。うげっ、お前幾つだよ?
「うがあ~っっ!嫁でも客人でもない!!っっっ~めぇ等いつの間に入り混んできゃがった~!!!」
「落ち着いて兄さん!!」
部屋ごと奴等を吹き飛ばそうとした俺をはがい締めで弟が止める。猫も危機を感じてか中から出て来て足下に転がっり……いや止めてるのかコレは?

 「で?みんなで村に行きたいってか?」
落ち着きを取り戻し(弟と猫に免じてだっ)どっかり椅子に座ってお邪魔な二人を睨付けた。墓参りなんだから他人は普通遠慮するもんだろう?
「うわぁ~小さいから迫力ない…」
「わーっわーっ」
「誰がマメつぶ小チビじゃごら~っっ」
うっかり滑らした言葉は取り消しがきかねぇぞ?他国間協議なんて関係ねぇ、血見るか?ん!?
あまりの怒り心頭に血管ピクピク沈黙は大噴火の前兆。危険を察知した弟が素早い片付けと荷造りを完了させた。
「さぁ、帰ろう!今帰ろう!即帰ろう!」
〇〇え〇ん~と呼びたいであろう弟に無理やり引きずられ俺たち兄弟は電車に飛び乗った。

 ガタンガタン―――揺れる中俺はやっと母さんに思いをはせる事が………
「お客様申し訳ありませんが大きい荷物は…」
窓の外ををボンヤリ眺めてた俺に車掌が困り顔で声を掛けて来た。
あっ、ヤベェ~急いでたからいろんな手続きを忘れてた。かと言って二度も貨物車に乗せるのは不憫だし……
 答えに困った俺の変わりに「いや、これは任務で着けてるワケで…」と答える声が。
頭を取ろうとしてる行為にギクリとしてあわてて止めようとした俺を弟が小さく大丈夫と囁いた。
「?」いや、弟の声じゃない!?
「私はこう言う者だが実は―――」
口先と軍の許可証でまんまと騙された車掌が納得して去る。アイツが中は結構暑いな~と弟の体のまま笑った。
「ほんと、たまらない暑さネ。」
と順番にアイツと食い逃げ野郎が鎧の中から出て来た。
「はぁ~っっ」
溜め息は俺のじゃない。さらに御付きの二人が狭さに耐え兼ねて出て来た上、「遠出なさるなら書類を出して下さらないと。」中尉がなんの違和感もなく顔を出した。最後に猫三匹も暑さで出ようとした時やっと弟が止めに入った。
「駄目、駄目、車掌さんに見つかっちゃうよ。…あっ、え~と…」
身体がね、こ~お、重いな~……と思ってたんだけど。弟がしどろもどろ言い訳してる中、あまりの四〇〇ポケット扱いと、さっきははぐらかされたが俺は怒ってるんだぜ?

―――――ブッチッン
 こいつラの足下にパンと手を一叩き、大きく穴を開け呑気に置いてくの酷いよ~と笑うのを瞬殺してやった。元に戻して完全犯罪成立だぜ。
女は俺も男だ勘弁してやる。
「に、兄さんっっ」
さすがに止める間がなかった弟が非難の声をあげた。いや、警告の声だ!
「後ろ!!」
カキ~ン
 ギリギリ飛道具を跳ね返す。俺とした事が防ぐのが手いっぱいだと~?落としたはずの御付きのじじぃの攻撃に戦慄が走った。
「お前等が弟の中に入ったのが悪いんだろーがよっっ」
「若様の敵!」
涙ながらに攻撃してるけどな~そこでヘラヘラしてるのは誰だっつーの。
ちっ、やっぱりこいつ等にはあの攻撃はきかなかったか。襲い来る二人に苦戦してる中ドクドク吹出す血をものともせずアイツが仲裁に割って出たのにはひっくり返った。―――はい、お探しの不死身がここにあります。献上したい気持ちを押さえ丸く?治まった車内は殺伐とした空気から一転修学旅行ムードに。
墓参りは向こうの国では特別礼を尽くすらしい。
 順応が一番高い弟ももちろん輪になり、みんなでトランプをしている。

「学校でよく協調性0とか言われた口だな?」
別席で一人いた俺にアイツが飲み物の差し入れをしにきた。フッ…とかっこよく色男を気取って白い歯を光らせ決めてるつもりだろうがレールの後がしっかり付いてるぞ。
「中尉は敵~とかしないんだな…」
さすが大人と褒めたつもりだったんだが判を押してからでないと困ります。と小言が始まった。大佐も!と男二人が正座で説教されてんだが聞く分には大概に上司なのに信用も信頼もされてね~な~と片身の狭さに気のどくな…
「聞いてます?」
でりっとしたアイツの態度に小言はさらに延長戦のかまえに。わっ、さらに怒らせてどうする?馬鹿上司!鼻をほじるな!鼻を!

 「ハ~ッハッハッハッハッハッハッ」
さらなるの〇太状態か?と観念した時どこからともなくらく高らかな笑い声が!こ、これは?この笑い声は!?
「とおっ!(ポーズ1)巨乳レーダーがビンビン回るぜ!感じるぜ!ハッ!!(ポーズ2)今日も人が呼ぶ地が呼ぶ乳が呼ぶ!巨乳がここにいると俺を呼ぶ!ご存じ!!!巨乳ハン…」
パ~ン   
 銃声一発巨乳ハンター最期の巻ここに完。

「撃ちますよ?」
中尉の遅い警告空しく沈む少尉の手を取りアイツがポーズ3(決めっ)は受け継いだ。と夕日を前にさけんでる。おいおいまだ昼ですよ?
「聞いてます?大佐!!」が、そんな子供騙しじゃ鉄扉面の中尉には効かねぇ。首根っこを捕まれ隣りの車両に引きずられる場所は間違いなく地獄だろう。
あまりの地獄絵図に凍り付いた空気の中薔薇色の空気が漂う。ハッまさか!?
「我が輩に任せられいっ。」ってなんで少佐が?止めろ!筋肉アピールしながら近付くな!俺のそばに来るんぢゃねぇ~
「我が家に代々伝わる交渉術を持ってすれば大佐の救出などたやすい、たやすい…」
器用にポーズを決めながらあの車両に消えて行く。空気の読めない筋肉馬鹿少佐よさらば。あんたの相手は鬼だ。

「セクハラで訴えますよ?」
案の定そんな冷静な言葉の前に銃声が……………
 「墓が増えたな…」御付きのじじぃがぼそりと呟いた。

…嫌だ…こんな奴等と村に帰るのは………
「嫌だ~っっ!!!!」
「落ち着いてっ兄さん!!」
「ニャー」
撃たれたはずの二人が数秒後にはトランプしているのには我慢も、突っ込みも限界が…「うわぁぁぁ~テメェら帰れ~~っ」

 もうすぐババ抜きで上がれそうだったのに……しかたない。みんなの迷惑になちゃうしね。
 車内で暴れる兄さんを止めながらフッと窓の外の景色が僕の目に飛び込んだ。
――――母さん…今日も空が青いです。

お題彼岸…坊主でプレイ?の話をしたのに墓地まで辿り着けませんでした。〇ルって大きいからどれくらい猫が入る?から始まり暴走へ副タイは巨乳ハンター再び(笑)
これもそれもぴかりさんに頂いたDVD:鋼錬もうひとつの物語のお・か・げ。ありがたや~
〇ドいつか憤死すんじゃねぇか?つーぐらい怒らしたから間違いなく血圧上った事でしょう。
早くから打ってる割にこんなんしか出来ない………イヤホント無理っス
みんなも駄作読んじゃた。と怒ったらあかんよ~ と諭して 一抜け=3

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Categorie9月お題『彼岸』

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