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 雲は重い鼠色をしたまま街の上空を微動だにしない。多分予報通り夕方前には雪が降るだろう。丁度クリスマスシーズンと重なって雪ならばと商店街の主人達がホワイトクリスマスに釣られやって来る家族連れや恋人達様にディスプレイや特売品をワゴンに入れて世話しなく朝から動いている。
 軍でも有給休暇の願い出が重なりやすい時季であり、上司はローティションの組直しにかなり頭を悩ましている。
 そんな中電話交換手が「ここだけですよ!!」と苦情を言いに来ていた。
「軍内で私用電話は慎んで下さい!って、あ・れ・ほ・ど!っ願いったじゃ~っいですかっっ!!」
怒り浸透。怒鳴る声も言葉も飛び気味で脳内毛細血管が確実に3本切れたのは間違いない。とばっちりをくらった部下が引き気味な中、当の本人はゆったり電話を――
「――って言うより無神経だよな?」「そう、そう、」
 部下二名が書類越にヒステリックに怒る交換手と煩そうに耳をふさぎながら電話を止めない上司を交互に見直した。
「――と曹長と少尉殿がおしゃってますが?」
「そっ、お前ら休暇なし!」
「「えぇぇっっ~!?」」 容赦ない報告で休暇取り消しの憂き目にあい中尉に文句の一つも言いたい処だが「これで仕事の能率が上りますわね。」ニコリと笑った顔が恐ろしくて何も言えない…。つーか言ったら死ぬ!!殺られる!!

「目的の為なら手段を選ばない女。射撃の名手、年齢微妙なお年頃、B86W…」
パスン!パスン!
「ろっ……」フラフラ・くるくる…ぱたり。

 巨乳ハンターリボルバーサイレント仕様に散る。
 さらば!巨乳ハンター!ありがとう!巨乳ハンター!君の勇姿を僕らは忘れないっ
「忘れて下さい。」
そのまま向けられた銃口には誰も逆らえない。ブラック・ハヤテ号もご主人様の過激さには付いていけないぞ。
「まったくもって嘆かわしい!我が家に代々伝わる…」
 いきなり現れた筋骨隆々な少佐に肩を掴まれた交換手が訴えますよ~なんて言いながら逃げて行った。それがチャンスとばかりに大佐は私用電話の続きをしてるサマがある意味修羅場だ。
「ご・ごめん!なんか変な邪魔入ってさ…」
変なのはお前だっ
「な?折角のホワイトクリスマスだし…ほら、…な?」
ほら。てなんだよ?
「仕事早く終るから」
つーか今仕事しろ!今!!
「あの木の下で待って欲しいんだけど…」
あの木?あの木もどの木もねぇよっ
「だ・か・ら~朝は悪かったって!な?もう機嫌治せよ~」
てぇ何か!?朝からコレしか考えてなかったってか?
「あ~っっ待て!待て!実は……あれ?も・もしもし~?」
繋ってない電話にすがるように叫ぶ上司を見て誰もが思った。…………切ったな。電話交換手が、切ったな…。

 はぁ~~~~~っっ
 深い溜め息一つ。顔をやっと上げた上司の視線を避けて一心不乱に書類を片付ける部下〇名と銃殺体一名。犬一匹。
「これを、」
 容赦なく積み上げられた書類が天井まで届きそうな勢いで今までサボっていた結果の他言う事なし!それなのに帰り支度するとは!!このクソ忙しい年末にいい度胸だ。
「つーかサボりすぎ!」「上司横暴!!」「仕事怠慢!!!」「恋人年齢不相応!!!!」
大ブーイングの中いまいましく眉を上げた中尉が立ちはだかった。
「帰しませんよ、大佐?なんの為に少佐を呼んでるとお思いですか!!」
クワッ!!中尉か!!!この忙しい中鬱陶しくも暑苦しい筋肉アピールを止めないコレを呼んだのはっっ!!!!誰もが閉口していたと言うか、なるべく目を合わせない様にしていた少佐に視線が集まった。それに答えてさらにポージング。動く大胸筋。盛り上がる大腕筋。割れる腹筋。尻で割り箸10本は割れるぞ!

「うおっ?放せっっ」
 我儘上司を捕まえ椅子に無理やり座らすのはやはりこれぐらいの筋肉が必要と言うべきか?
「我が家に代々伝わる筆記術を使えばこれぐらいの量などたやすい、たやすい。」
「俺は帰るのっ!!」
「今日こそ仕事を終らせて頂ます。」
――!!!!!!!我、修羅の道を行く者なり。
 その場にいる誰もがその言葉が浮かんだ。
 鬼と無能と筋肉が織成すこの部屋は地獄の一丁目。目を合わすな!仕事に集中しろ!ここは地獄の三丁目、眼精疲労に腱梢炎、嫌なプレッシャーで胃潰瘍と偏頭痛で、一人…また一人と倒れて逝く。地獄の最終尾にもなると「俺のことは捨ててけよ。」
 マスタング隊年末恒例の地獄絵図。軍内週刊誌〈国軍自身〉の取材もこの季節はいつもここだ。タイトルはさしずめ〔スクープ無能大佐の実態!!!〕〔部下は語る「もう付いていけません!!!」〕〔電話交換手Aさんは語る飽きれた電話の内容とは!!??〕〔お湯自慢!天然温泉BEST100:戦場の傷はここで治せ!!〕〔星占い:マダムが占う今週の銃アイテムとは!?〕〔激写!!!夜の密会!!噂の恋人(未成年)とは??〕〔独占インタビュー!!!!「私はこうして大佐になった」〕〔好評連載中:“それ行け!!足手まとい君”〕〔今週のファションチエック!!アロハシャツをこよなく愛した漢祭り:着こなし術大公開!!!見よ!この雄姿!!〕〔応募殺到!締切り迫る!!プレゼントクイズ:今週はコルトダブルイーグルだっっ!!!※31日消印有効〕

 外はすっかり暗くなり予報より遅れて雪が降り出したせいかまだ薄化粧もしていないくせにいやに冷え込む。それでもクリスマスとあって夜遅くても街にはかなりの人が繰り出し飾られたイルミネーションを楽しんでいる。
「お・終わった…」
まったく仕事は日々ちゃんとしておくものだ。やっぱり写真撮影にインタビューもあり予定より4時間も遅い退社になった。深い徒労溜め息も白い。
「――なんて反省去年も…」
「ひ・ひ・ひとっっ人の心を読むな~」
 鬼中尉の一言に涙ながらにダッシュで逃げる。これ以上ここにいたら何やらされるか分かったもんじゃない。
「それに…!」
 とにかく焦った。とにかく走った。早く終るって言ったのに予定を大幅に超えている。いるだろうか?あの木の下に…
「今朝ちょっと怒らしたしな~」
いないかも?と考えただけで身悶しえしそうだ。つーか本当に道で転がってる様を見て通行人がビックリだ。「ねぇ、ママあれ何?」「まっ!!見ちゃいけません!」「なんだ?なんだ?」
 軍服のままで転がってるから軍の権威と品位が失墜だ。角で取材班が写真を撮ってダッシュしている。差し替えでこの現場が一面に載るのは間違いないだろう。〔まさか!?クリスマスの国軍大佐の奇行!上官は嘆く「もう始末に負えない!!」問われる軍風紀!!!〕

‘本当。奇行と言うより変態だよ。奇人だよ。こんなの野放しして大丈夫なのか!?’

 お・落ち着け。と・とにかくだあの木の下へ!!

「へっ、おせぇじゃねぇかよっ」
悪態をついてる割にはオートメイルの右腕だけがうっすら雪が積もって、ずっとここで待っていてたのが窺い知れる。
「ご・ごめ…ん」
息を切らせながら見た金髪にかかる雪が綺麗で、青い瞳に映るイルミネーションが幻想的で、冷えきってしまってるであろう体が申し訳なさすぎてうなだれたまま止まってしまった。
「仕事してたんだろ?気にすんなって」
ニッと笑った唇が碧い。
「何時間待った?帰ってもよかったのに…」
「なんだよっここに来いって言ったのお前だぜ?」
ムッとして見上げた木の枝にもいつの間にか雪がうっすら積もっている。
‘転がってなかったらもっと早く着いたはずだ。大佐の動きには一々無駄がありすぎる。’
そんな奇行を知らず待っていた噂の恋人(未成年)が照れくさそうにボソッと呟いてた。
「…約束だしな。」
「?えっ?何?」
 さっきまで鼻を赤くして走って来たかと思えば、いきなり黙って泣きそうな顔してた同一人物とは思えない程聞き直した顔は穏やかで笑った口許が余裕ぶってて…
「やだ!」
「何?もう一回言ってくれよ。」
ふざけあう様ににしか見えんこいつらはこの日独り身の者にとって本当ムカツク限りのバカップルぶりである。
‘まったくもって気が悪いったらありゃしない。’

「これ、……メリークリスマス。」
 差し出された紙袋の中身は赤いマフラーはもしかしなくても手編み。白く頭文字を入れてる辺りが年齢を感じさせる。――さきっちょにボンボンなんて母さんでもやんねぇよ。
「?やけに長いな」
貰った紙袋から出したマフラーはまだ全部出しきれていない。
ゴソゴソ出したマフラーの両端には二人のイニシャルのEとRが……………もしかして?振り向いて見た顔は満足げと言うか…お前コレってよ~
「4Mはあるからな!編むの大変だったんだぞ☆」
げっ!げげげげげげっっっ~
 ペアより最悪だ。
「で?いつ編んでたんだよ?」
こんな姿見てたら間違いなくほどいていたのに。なんて嫌みも無論通用しない
「そりゃビックリさせようと思ったしな。職場でせっせっと…」
「………」
と、なにか~!!!!!俺がくそ寒い思いしながら待ったのはお前が仕事もせずにこんなの編んでたから皺寄せが来たせいか~!!!!!
 ニコニコしながらEを首に巻き付けてすでにスタンバイOKなところがもう、気が抜けて怒鳴る気にもなれない。つーかEじゃなくてRだろう?
「あ?コレ?この方が――いつでもキス出来るしな。」
なんて笑いながらEに口付けする行動が―――「――エロ親父!」
「だって外じゃキスしてくれないじゃないかっ」
 去年まではコイツはこんなヤツじゃなかった!こんなに馬鹿でも親父でも乙女でもなかったし、変態ぷりなんざぁ~かけらも……いや、少しはあったか…。ガクッ
「来年もな。」ボソッと言った一言がこんな事になるとは!!
 ど~も騙された気がしてなんねぇ~
 ブツブツ文句を言いながらも結局寒いから巻いてしまう自分も自分だが…。

「騙されてんだよっ!バカ兄!!」
弟がこっそり後を付けて呟いていたのを俺は知らない。

お題『クリスマス』マフラー編こんなん編むヤツおるんかいっみたいな?猫は寒いのでお休みです(笑)
途中からのへんな悪態‘’は無論弟です。つまり尾行してたって事?〇ルならやりかねん(笑)

さあ~て来週の週刊〈国軍自身〉は巨乳ハンター特集:[激写!!!巨乳ハンターの素顔] [独占インタビュー「私が巨乳に拘る理由」] [巨乳はこうして見つけろ!!!間違いない巨乳の見つけ方大公開!!] [貴女もこれで巨乳!!!正しい巨乳の成り方ワンコインレシピ掲載] [待望の新連載スタート!!!巨乳と太股とミニスカが織り成す愛の軌跡「チラリと魅せて…」] をお送りします。=嘘

一抜=3(ぶいぶい)
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Categorie12月お題「クリスマス」
Genreアニメ・コミック Theme鋼の錬金術師

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