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2005’09.21・Wed

帰省

毎度、やまなし、おちなし、いみなし。
注意。終わってないので読むと消化不良になります。
すいません、お題できませんでした。阪神に気を取られてました…。

        **************************************

「おま、いっつもこんな時しか帰らねぇんでやんの」
「盆暮れ正月は帰ってるんだ。その上今年は秋も来たんだ、充分過ぎる」

 年上の割りに子供じみた従兄弟に言い返すと、彼は下唇を突き出してそっぽを向いた。
 半そでシャツにバミューダをだらしなく着崩し、女物のサンダルを突っかけて、墓前から下げたお供えの饅頭を頬張りながら、田んぼのあぜ道を先だって帰っていく。手には空になった水桶を持ち、その中には線香の残りが入っていた。
 親戚達はとっくに墓参を終え、午後遅くになって帰省した自分だけが義務を果たしていなかった。従兄弟はそれに付き合うと言って、ひと揃いの準備をしてくれたのだ。
 すでに日は落ちて残照だけが薄く空に残り、あぜに咲く花の赤も見分けづらい影になっていた。

「リョウちゃんは、アレだろ。仕事が面白くてしょうがねえんだよなあ。オレの事忘れてるだろ。誕生日とか」
 片目を眇めて眉毛を斜めにして振り返る。腕組みをして仁王立ちし、狭い道に立ちはだかった。
「タケ、歳いくつだっけ? 俺より上でなかった?」
「28。おととい28ンなった」
「……そりゃおめでとう。何かいるのか?」
 肩を竦めて立ち止まると、タケは押し黙った。虫の声に上ずった息の音が混じる。
 急に緊張した空気に、リョウは一歩後じさった。
「高校ン時にさ…ツルんでたヤツが居ただろ。まだ一緒に居るのか?」
 思いがけない問いにすぐに返事ができずにいると、タケは水桶を取り落としてリョウの肩を抱き寄せた。
「帰ってこい。それで誕生日忘れてたことチャラにしてやる」
「何言ってんだ。話が繋がってないぞ? 大丈夫か?」
 リョウはゆっくりと肩に回った腕を外そうとしたが、それは固く動かない。
「できるわけないだろ? 駄々捏ねてないでさっさと帰…」
「じゃあそいつと別れろ。今すぐケータイしろ。そうしないと帰さねえ」
 やっと腕が離れたが、次には頬を押さえて顔を固定された。間近で瞳が覗き込み、宵闇でも表情が伺えた。彼らしくもなく茶化せない真顔だった。
「同棲してんだろ。同居じゃなくて…知ってる。知ってんだよ。昔っからあいつと付き合ってただろ。……俺の居ないスキに! だからあっちで就職するのやめて帰って来たのに、今度はお前が出てくんだもんな。ひでぇよ…リョウちゃん」
 額をつき合わせての低い声が、やがていつもの拗ねたような調子になった。リョウは呆然としていたが瞬きして目の前の顔を見つめ直した。
「ひでぇって、そんなこと言われても。それに同棲とか付き合ってるとか、何を、勝手に…」
 しどろもどろに言い訳する口を何か柔らかなもので塞がれる。さらに濡れた熱いものが入り込みそうになって、リョウは闇雲に両腕を振り回してもぎ離した。
 まだ稲が植わって僅かに水の残った田へ飛び込んで逃げる。背後からタケが呼ぶ声が聞こえる。
 リョウは考えることからも逃げようと、混乱したまま全速力で走り続けた。田畑を抜け、数件の農家を通り過ぎて最後に雑木林を抜けると実家に辿り着く。
「リョウ!」
 ペタペタとサンダルの音がもの凄い速さで近づいたかと思うと、服を掴まれた。止まろうにも止まれない勢いでそのまま2人して茂みへ倒れこんだ。
「リョウ。知んねかったのかよ! 本当に俺の気持ち知らなかったんかよ! ぜんっぜん帰ってこねえで、俺が会いに行けるわけねえじゃんかよ。アイツが居るのに!」
 暖かい水のしずくが上から落ちてリョウの顔に降りかかった。乱暴に服をたくし上げられ、素肌へざらついた手が這いまわり、吸い上げる音と痛みが走った。
 殴ってはみるが力の入らない体勢で、大した効き目がない。相手は上背があるばかりで自分と大して変わらない細身なのに、跳ね除けられない。
 それに気づいて初めてリョウはいつものタケではない、男の恐ろしさを感じた。

 この時間にはめったに人はおろか車の行き来もない道に、遠くから近づくエンジン音があった。
 聞き間違えようのない、HARLEY DAVIDSON Rordking Classicの心臓の鼓動だ。生き物のようなそのエンジン音に、まだ2人は気づいていなかった。


        **************************************

ダンナ登場。バイク話EPISODE0.5というところ。


・・・・・・・・・・・・M6おめでとう!
(円茶)
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Categorie9月お題『彼岸』

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comments

祝M6!!
あ~ええとこで終わった~これからや~
負けても持ち点減らすより、やはり打ち取れ展開であったと予想していいな(笑)

ぶいぶい:2005/09/22(木) 09:08 | URL | [編集]

ふはは、とうとう書き始めたか。それものっけから受(だよな)には年下(だよな)の従兄弟で強引っぽい(のが希望)のに狙われてるし。んで旦那は嫉妬大魔王?かな←お仕置きを期待します???

ぴかり:2005/09/25(日) 22:31 | URL | [編集]

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