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2005’10.28・Fri

ハッピーハロウィン

「最後にあそこ行こう、あそこ」
子供達が何やら相談している。「え~あのおばけ屋敷?」「そうそう」などどうやらこの塾の近くにある広い敷地を所有し鬱蒼とした木々の合間に見える年季の入った洋館の家のことを言っているらしく皆怖がりながらも興味津々といった具合だ。確かに誰が住んでいるのか気になるところ、かく言う僕もどんな人がでてくるのか、あのうちの前を通るたびに気になってはいた。
(そうか、今日は堂々と尋ねられるな)


今日はハロウィン。皆楽しみにしていたようでウィッチやらデビルやらスクリームやら…色とりどりの仮装で決めてきていた。
僕は今年アメリカから留学してきて現在は日本の大学で日本文化や文学を専攻中、その生活費稼ぎにこの英語塾の講師として働いている。いつも小中学生から大人のスキルアップのための講座まで担当している。
今日は最近日本でもハロウィンをするのが流行り?っていうのあってこの祭りをするようになったとか、英語塾などは欧米の風習を知るって意味もあってこのイベントは欠かせないものになってきているらしい。一応塾側も近隣の家々に協力を仰いでくれていて根回しも充分。今日の僕の仕事はそれの引率だ。
僕も勿論仮装した、こういうお祭り騒ぎは大好きでしっかりとドラキュラ伯爵になりきって、まずはハロウィンのことをお勉強したおさらいをして、マナーを確認して子供たちに混ざって出発!
夕暮れ時、かぼちゃのJack-O’-Lanternを飾ってくれている家もあって、中には雰囲気を楽しもうと生のかぼちゃで作った本格的なものもあって灯火がその光を漏らしていた。
やっぱりやるならとことんってネ。僕もその口、大いに盛り上がってきた。

「Trick or Treat!」
子供たちは玄関先でそういっては一軒一軒玄関先で騒ぎ立てる。
「ハッピーハロウィン!」
と言いながら、子供たちが持っているかぼちゃの容器にお菓子を入れてくれる。子供たちも楽しんでいるようでお菓子を抱えて次から次へと家を回った。
子供と一緒に叫び声をあげてワイワイと町内を練り歩く。すれ違う人の視線も柔らかでおおむね受け入れられていてこの祭りがこれからも定着してくれればいいなあとか、まじめなことも思った。
イベント好きなアメリカ人としては、ぜひお願いしたいな、ハロウィンはアメリカのフェスティバルだからね。

と、考えているうちにとうとうアノ家にやってきた。
夜の帳が下りて街灯がうっすらと道を照らす。
町の高台の一番奥にあるレンガ造りの高い壁に囲まれた、洋館。
家の周りを取り囲むように茂る木々の間、屋敷の一室、薄く明かりが灯っていた。けれどいつも感じる不気味な雰囲気はある、確かに人は住んでいるようだけれどどんな人がいるのかも、本当に澄んでいるのかも疑問の大きな館。年の言った偏屈な老人、とか住んでいそうだ。
けれど今日はいつも堅く閉められている門扉は今日は「どうぞお入りください」という感じに開いていた。
ここも塾が根回しはしてくれているようで、一応訪問コースになっていたので入っていいんだろうな、と判断して
「さあ、行こうか」
と子供たちを促すけれど、門から石畳で続く玄関までの30mぐらいの道のりは暗く、何の明かりもなくて不気味でさわさわとゆれる木々のざわめきも、子供たちの恐怖をあおったみたいで
「センセー先に行ってよ」
と誰かが言った。勢いづいていたのに誰も一歩を踏み出さないので仕方なく
「じゃついてきて!」
と先陣を切ってその門をくぐった。
まっすぐ伸びる石畳の周囲はよく手入れされた芝生で、真っ暗で見えにくいが広い庭にはさまざまな花木が植えられこれも充分に世話をされているようであった。木々の間からは温室らしきサンルームも見えた。緑溢れるといった様子できっとこの家の主が好きなのだな、と感じさせた。子供たちはきょろきょろとあたりをものめずらしそうにしながら僕の後ろをそろそろついてきた。
玄関には薄暗い明かりが配されていた、重厚な木のドアを前に立ち止まって
「さあ」
と促す。
玄関の戸を叩いてお決まりの台詞を言うようにと一歩下がるが
「誰かいるのかなあ」と誰かが恐る恐る呟いて
「ホントにおばけ…がいたりして」このあたりでは「おばけ屋敷」の呼称で親しまれたところ、皆躊躇している。
「大丈夫、さあ。大声で!」
と僕が言うと皆怖いもの見たさ、の心境もあってか意を決し

「Trick or Treat!」

と叫んだ。
すると

バン!と待ちかねたようにドアは開き。
現れたシルエットは細いなあ、と感じる男性だったが、その顔は頭に斧が刺さったどこかのB級ホラー映画で見たような、なんとも間抜けな被害者の断末魔のような様相の被り物で、面白がって懐中電灯を顎から上に照らしながら現れた家主は

「はっぴ~はろうぃん」

とわざとらしい濁声とともにでて来た!

「でた~」
とそれは子供たちを怖がらせるのに成功し「きゃ~」とか「わ~」とかって逃げ出させるのに充分な迫力と不気味さをかもし出して
「ふははははは」
と笑った。

「怖いよ~」
と皆逃げてしまってぽつん、と残された僕はというと。
結構なインパクトに固まってカチンコチン逃げるも何もできなかった。

本当は超、怖がりなんだ。
きっと目も点!って奴になってるんだろう。

固まったまま突っ立ってると
「あはははは~」
と無邪気に笑いながら被り物をとる家主が
「こんなに驚いてくれたら、大成功!」
と現れた仮面の下。
切れ長の目にメガネをかけた白皙の一見冷たそうな繊細な面持ちに感じるが、意地悪大好きというやんちゃな瞳で、大胆に笑うその笑顔とのギャップが僕を釘付けにした。外見も顔も中性的なんだけどなんかどうにも性格はそうではないようだ、年はいい大人の年だと思うけれど童顔で年齢不詳、人の興味をそそるそんな存在??
できっちり美人、そう美人て言うんだと思う。

な、なんか胸がどきどき高鳴ってる、なんだ?この動悸は。
笑顔が焼きついて…え?え?この感じって。

「な~んだこんなにお菓子用意したのに!」
と子供たちがいないことに今度はぶーと膨れてる。背後から持ち出した両手いっぱいのお菓子。
「ま、じゃドラキュラ君」
僕にハイ、とそれを差し出して。
「代表して君に」
笑い過ぎたのか涙がたまっている笑い上戸らしいこの人。こういう得体の知れない美人て好みなんだよね。
びっくり箱みたいな、そんな感じの人。
何だか、何だかなんていうの?日本語で今こういうのを言葉にすると?

「萌え」

でいいんだっけ?

きょとんと見つめ返されて美人が笑った。

「キミ、おもしろいね~」


そんな感じでお互いを認識した、出会い。
ハッピーハロウィン。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あ~も~どっかで書いたようなネタ。
自分の当番が来てるのに思い切り寝てました。深夜に書いております、ネタも何も浮かばない。ダメダメ。逝きます・・・。
(ぴかり)

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Categorie10月お題『ハロウィン』

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comments

ハロウィンは定着しだしましたな。はて?いつからだったか…
「萌」外人はいろんな言葉覚えるからね(笑)教えがいがあるな。

ぶいぶい:2005/10/29(土) 13:45 | URL | [編集]

でもいつもキチンと落ちがある君はステキ…。
私もハロウィンやりたかったわー。こういう先生がいれば!

円茶:2005/10/30(日) 20:44 | URL | [編集]

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