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『扉への路』1はこちらから!今回も”腐”要素多めです


 

花鱗が月さえも香しく藤色に変える春の宵も、勇々しく伸びる木々のごとき緑を映す夏の月が猛る夜も、黄金色の皇らめきが総てを照しだす秋の満る月の輝きも、凛と澄み切り凍えそうな湖のごとき蒼を満々と讃えた月さえも凍える暗闇も………すべての時間が身体を擦抜けてゆく。

 ここは…何処だろうか?
 身体が静な炎に包まれいた。
 体が熱い…。
 内側からふつふつと煮えたぎりながらも恍惚とした悦びを伴いながら、何故自分がここに存在するのか……。
 自身が放つ炎で周りが徐々に見えてきた。
 考えも衝かないそれに声も出ない。

 幼い頃意味も分からず聞かされ恐れた母の戒めの言葉を彷彿とさせる。――これが地獄と言うものか――
 回りを激しい怨嗟の渦が吹き荒れている。一つ一つが恨みを口にしているのに耳には悲鳴に似た激風にしか聞えない……耳が痛い。否、頭が割れそうに痛い。
―――逃げなければ。
‘恐怖’が堰を切り追い立てる。途端、一つ、一つ、がにゅっと伸びてその顔を露にする。
 観よその怒りに焼かれた険しき顔を!未来永劫続く苦痛に歪む顔を!突然の不幸に疑惑と妬みが支配する顔を!
 かつては幸せであったであろう、穏やかでかったであろう痕跡は塵程にもない。失いし者を求めて自ら禁忌に触れた者も、巻き込まれた者も、巨大な力で握り潰されそうで、痛みと怒りと餓えの凄まじさたるや真面であった頃の精神も魂もない。土気色した性別もつかぬ顔が体を孵せと呟いたのを切っ掛けに風が止んだ。すべての眼がこちらを魅ている。この闇に浮かぶただ一つのこの灯を。
「ひっ」
 幾つもの亡者が追いかけて来る。息を切らせながら走る背に闇が芹上がって脚が縺れる。――これは悪夢だ!!
 自分が見てるのだろうか?それとも誰かの狂気に飲み込まれたのだろうか?
 黒い手が次々と伸びて来た。まるで狂気がそのまま形を成してあるモノすべてを飲み込む気のようだ。
 今走ってるこの路はすべて屍で老若男女問わず体の一部だけのがやけに多い。手や指はまだましだ。もうどこの部位か分からない肉片は喰い散らかした後の様で何時かの戦場を思い出す。

 ここはそれより尚悪い。

「あっ!?」何かに足下を捕われ体を襲い来る闇に貫かれた。
溢れる悪意が総身を駆け巡る。この顔も胸も足も腕も…我が、我が、と喰らいつくす。
 肉は食いちぎられる。骨は砕ける。血が吹き出る。これはなんたる苦痛!なんたる悲しみ!そして理不尽すぎる痛みか…これは総じて怒りに変る。徒もすれば動けぬ程の失望に、徒もすれば総てを巻き込む絶望に、されど血が吹き出る度に昏い何かが苦痛を麻痺させふるふると沸き出る悦びに、煮えたぎる快感に変わる。それはあの地下室で叩込まれた快感であり、その吹き出た悪夢はいつかみた主の影そのものではないか。

 ――――そして今、自分は違う場所に存在する。正確には違う層と言うべきか…。喰われたはずの肉体は魂を核に再生し続ける。それは月の満ち欠けの様に未来永劫約束された拷問だ。遥か上では抜け殻の自身が黒い闇に飲み込まれるのを見ても何処か他人事のようで虚無に駆られているのに今だじんと奥が熱い。
 ここも先程と変わりはない。
 屍の路は前いた場所からまだ下へ続いている。―――下?いや、上だろうか?もう、よく分からない。急立てる様な恐怖がなくなっただけで、ここに自分が存在する意味も、畏れも、身体の疼きも、消えたわけではない。襲い来る亡者と奥にある何かに何度も何度も墜とさる。起立した乳頭は捩りを加えながら限界まで引っ張られ、根元を絞られなぶり続かれた肢体を黒い塊が幾度となく切り裂いては喰らい尽す。
 その都度炎は大きくなり、閉じる間もなく喘ぎを紡ぐ口から涎が汗と脂で妖絶な滑りを身体に垂らす。イク度に薄皮が剥れる甘い感覚と電流を流された様な甘美な刺激に、ともすれば魂までもが剥れそうだ。

―――何が見える?

 誰かが静かに押し寄せる小波のように問い掛ける。
ハレルヤ讃えよ夜を
ハレルヤ集えよ咎人よ。崇めよ神を、我らが父を讃えよ。讃えよ。
 儀式は始まった。この灯に集まれ咎人よ。いざ真理の扉へ導け!

――何が…?
 怒りと言う名の官能の炎に焼かれる自分だろうか?憎しみと言う名の漆黒の闇に呑まれた自分だろうか?絶望の名の元ばらばらにされ路の一部になる自分だろうか?
 吹き出ていた炎は墜ちる度大きくなり輪郭から炎で熔けて、消え入りそうなのは己か…炎か…
 爆音に近い滝の音で分散しそうな意識があわゆく止どまった。
 夥しい程のそれは血の滝である。路はここに続いていたのか…否、更に向こうに扉がある。これだけの屍を洩ってしてもそこへ辿着くにはまだ足りない。血はそれ等のあまたたる咎人のものだ。遥か昔より禁忌を破った罪深き者のなんと計り知れぬ程の多さか。体の一部で済み現せにいれた者は奇跡に近い。

 …主がお呼びだ。部屋に居た従者二人が影より浮き出てまるで今までの亡者と変わりがない。伸びる手を振り切り尚も逃げるが路はもう先がない。

―――お戻り下さい。大佐…




 扉を背に彼女が立っていた。彼女も又亡者の一人に今にでも襲われそうなのにも拘らず路を示している。

――手を!!ここにいては駄目だ!

 手を伸ばしたまでは覚えている。
何を求めて伸したのか……背中の痛みで目が覚めた。
 はずみで双頭の張り子がぬるりと抜けて彼女が僅かに呻いた。
 いるのかそこに…
 背中に走る痛みでこれ以上は身体を動かせない。

――何か得る為には同等の代価が必要だ。それが錬金術の等価交換の原則だ。――
 あの口ばかりの役立たずはその命を代価に若き駒をここへ連れ返った。女もその僅かに開いた目が正気を無くしているのが見て取れる。これが駒を正気でいさせた代価か、
もう一人の従者の命が彼女も連れ返った。あれは寡黙でよく動いたがコレを見たなら是非もない。
 今まで路を照す為焔を育てて来た。
最初は火が点いた時点で焼け死んだ。火が点き狂う者、闇で狂う者、混沌で狂う者、大概が発狂したか、返ってこないか…。数など20から上など覚えておらぬ。いや、汚れを排除した焔を使った事もある。アレは壮麗であったが汚れ無き故墜ちたままだ。
 コレはどこまで辿着いたのだろうか?

―――何を見た?
 鞭の上からさらに靴がじわじわ体重を掛けながら捩りを加えた。
 呻きながらなんとか上げた眼は痛みと怒りと染み付いたソレはやはり快感か。
「大した焔に育ったじゃねぇか」
 背中まである長い黒髪に残酷な瞳が支配する整ったその顔は玩具を見つけた子供みたいで嬉しそうだ。背中を踏みにじるのは主ではなくこの男か…
 若い男の声だ。聞き覚えがない。悪戯っ子みたいに軽口を叩いてもゾッとしない何かを醸し出していて、総身が粟立つ。
「頑張ったんだ。ご褒美をやんねぇとな?」
「殺しちゃ駄目よ。」フフッと笑った女の声も聞き覚えがない。
 悪夢の続きか?逃げ様と手を着いた途端まだ咥えたままのソレを深く捩り入れられ敏感になってる内側の壁が擦れ、爛れた痛みと貪る為の涎が甘い刺激に変えてのけ反った。
「があっっ?」
声を上げたのはそのせいではない。目の前が白くなったかと思うと痛みの為目が開かない。
「な~に、すぐ見える様になるさ。――それに見えない方が感じるだろ?」
「ひぃあぁぁっっ」
言い終わらぬ内に根元まで一気に入れられその圧迫感から涙と呻きが止まらない。無理に上半身を起こされ更に内臓が圧迫される。まるで罪人になって串刺しにされたみたいだ。
 苦しげに浅く息を繰り返すのを楽しむ様に首を必要に吸い続ける。丁度頸動脈が通ってる辺りだ。歯があたり本当に食いちぎられそうな恐怖に引き気味の息を確かめてから、ざらざらした舌が瞼を、耳をへ頬を、胸元を、しつこく舐めまわす。空いた手はときおり中に入ってるソレを腹の上からなどり、叩き、その存在を忘れさせない様動く。
大きくあいた口から白い歯が覗き更に呼吸が加速した。
「や・やめ…抜いて…」
「フン! 自分で捻り出せよ。」
奥まで入ったらさすがに出ねぇぜ?と入口に少し頭を出している部分を押してニヤニヤ笑っているのは見えなくても分かる。
―――そんな…。ためらいも、もっと奥へ、と意地の悪い指の動きに吐いてる間もない。床にだらしなく寝させていた腰を浮かせ下腹部に力を入れる。男の猛狂うソレと同じ形をした頭が少しづつ顔を出した。余りの苦しさに息はさらに乱れ脂汗が出る。それがてらてらと身体を濡し、苦痛と羞恥で喘いでる息も悦んでる様にしか観せない。
1/3出た辺りでやっと全部がズルリと抜けて涎を垂らしながら床に転がった。うなだれながも開放された安堵から肩で息をしても、しなだれた腰が、背中が、貪り足りないと誘う。
「ははははっ!上手そうに喰ったじゃねぇか!」
 開いたままの口は痙攣しトクトク脈打つのが分かる。ふふんと笑い確かめた指をペロリと嘗めてまだまだこれからだと語っている。猛る肉を入れ爛れた中が更に熱い。さすが焔と言うべきか。
「さすが返って来ただけあるよなっ」
 激しく責められがくがく揺らされた身体から歓喜と共に炎が吹き出た。それに焼かれながらも笑いながら更に突き上げる。
「や・やめっ…し…死ぬ…」
上下に揺らされ上る火はまさに焔。突き上げる男はその高温に皮膚は捲り上がり肉も骨するも熔けかかる。
「はっ……一回死んだじゃねぇか!」
 焦げた身体を再生させながら平気でトンでもない事を口走る。確かに肉が焼けた死の匂はしたはずだ。
「はははっ――面白い!面白いぞ!!」
笑いながらまだ再生途中のその手が髪を掴んだ。
 その指の間から又炎を吹き出る。本来術者はその力を制御し、影響など受けぬものだが…、あきらかにこの炎はその本体を支配しようと荒れ狂い、噴火を始めた溶岩が僅かな隙をついて幾つも出口を求め怒れる龍のごとく奥底から溢れいでる。

「あ・あ・あ・…」
 熱がやがて身体を浸透すだろう。いや、すでにその熱風で肺が焼かれそうだ。
 この火はなんだ。この炎はなんだ。こんなホノオなんて知らない!!
 視界にあるものすべてが熱で揺らめく。自ら伸ばした腕ですら…。これは………。
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Categorie扉への路(F・A小説)
Genreアニメ・コミック Theme鋼の錬金術師

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